« April 2006 | Main | June 2006 »

05/29/2006

橋、中之島倶楽部、『アンジェラ』

昼前からケーブルでリドリー・スコットの『ハンニバル』を観ていたらフィレンツェの美しい夕刻、アルノ川に架かる橋(ヴェッキオ橋?)のある光景に触発されて不意に中之島の橋を見たくなり、中央公会堂でオムライスを食べる事を口実に起きてきたばかりの相方を誘ってチャリをとばした。
っつうか、まあ、うちの中にこもっていたくなかっただけのことで(笑)、中之島図書館で写真が撮りたかったのが第一動機なんだけどあいにく休館日、仕方なしにバラ園をのぞいてから(「シンパシー」という名のバラが気になった)中央公会堂の中之島倶楽部でオムライスを食す。相方は大正ロマン定食。王道的な洋食だけど、食べることより、食べる雰囲気を楽しんだ。ここの空気と外光の差し方はとてもいい。 Nakanoshima2_2

大江橋の一つ東にある橋はなんというのだろう。ビルの看板さえ見えなければ堂島川に架かる橋も捨てたものじゃないんだけどな。

リュック・ベッソンの『アンジェラ』を観る。
モノクロームだからというわけでもないけど、ベッソン自身が『最後の戦い』の頃に回帰したかのような印象を残す。ここ数年制作稼業に専念しながら、自分の中で何かにたどり着いたという感触でもあったのだろうか。『サブウェイ』『グランブルー』『レオン』『ニキータ』『ジャンヌ・ダルク』『フィフス・エレメント』が内包してきた映画的ないろんなものがざっくり削ぎ落とされた映画。ベッソンらしいコメディの要素は健在だけど、欲とかプライドとか無駄なものが一切ない。彼の映画の語り口の合間にのぞくのはもう、愛情でしかない。

橋が絡んでいろんなことがつながった日曜。この映画の中にも橋が出てきた。もちろんどの建物にも看板なんかない。望遠でセーヌに架かる橋の上の主人公たちをとらえたカットは僕の中ではベスト10に入るかな。
天使というのは性が♂のはずだけど、まあ、いいじゃないか。

May 29, 2006 in films | | Comments (3)

05/23/2006

セルビアとモンテネグロの動向。

モンテネグロの独立が近い。
そのニュースに接した時思ったのは、もちろん、ドイツW杯でセルビア・モンテネグロはどうなるのだろうということ。スタンコビッチ、ケズマンはベオグラード出身。ミロシェビッチもそうか?
モンテネグロ出身のプレーヤーが現代表に何人いるのだろう。なんてったって、人口1000万人中、モンテネグロ共和国は66万人足らず。今回のW杯にはあまり影響ないのだろうか。
情報が見つからない。

まさかユーゴ紛争に巻き込まれた代表の悲劇が再度繰り返されるなんてことはないと思うけど....

P.S.
と思っていたら、当サッカー協会が現状の統一チームで出場すると発表しました。まあ、このタイミングなら当然の成り行きか。

May 23, 2006 in football | | Comments (0)

05/22/2006

MacBook Pro、Confidence Cafe、チリコンカン。

珍しくよく晴れた日曜。すっげー疲労が溜まっていて今朝はいつもの時間に起きられなかった。昨夜オーストラリアのシャブリを痛飲したせいもあるか。ただ、乳酸溜まりまくりで痛くて重くてどーしよーもなかった下肢がかなり軽い。相方に徹底的に揉んでもらった効果はあった。先週末、半身浴もアロマを垂らしたオイルでのマッサージもやらなかったのだけどここまでおかしくなるとは思ってもみなかった。今夜はきちんとやっておこう。

夕方ヨドバシに行って噂のMacBook Proに触ってくる。
速い。Intel Core Duoプロセッサがどんなもんか知らんけど、なんたって2.0GHzだもんな。13.3インチのスクリーンも明るくてPhotoshopいぢるのには最適かもしれない。キータッチも微妙におもしろい。っつうか、悪くはない。
でもなー。
噂のマットブラックの筺体が、やっすいんだわ。あきらかにiBook G4の黒ペンキ塗ってマットコーティングしただけの、というような。G3 iBookの筐体にマットペインティングした質感への妄想が走る走る(笑)
というわけで久方ぶりの物欲かなーという兆しは、一瞬にして萎えたのでした。

Confidence1_1 その後、友人と『ダヴィンチ・コード』を観る(僕はロン・ハワードには全然興味がなくて食指が沸かないのだけど)という相方と中崎町のConfidence Cafeでオチャ。なんだかんだ言いながら結局梅田近辺で気に入っているカフェって、ここ数年ではココぐらいか。単純にコーヒーがおいしいところならまだ他にあるのだけど。

夜は無印良品のメニューで復活したらしいチリコンカンをつつきながら昨夜のシャブリの残りをすする。同時にオッタビオのオリーブオイルをたっぷり垂らしたバゲット。ピクルスを切らしていたのが悲しかった。でも、その間、スークのヴァイオリン(ドヴォルザーク、ヤナーチェク)、David Bowie 、Joni Mitchell とか流しっぱなしにしながら。そういう、独りの時間の幸福。

May 22, 2006 in life | | Comments (0)

05/16/2006

バラック、サプライズ。

サッカーに関する今日一番のサプライズはバラックのチェルシー移籍決定の件。サプライズというより、ショックでした。これ以上中盤をどういじるというのだろう。カップ戦に備えてターンオーバー制をとる以上、選択肢は多い方がいいのは確かにそうだけど、ちょっと食傷気味(笑) 外野のブーイングが今からうるさいな。

ブラジル代表
が発表されたけど、めまいがしそうですね。この代表と、チェルシーが対戦したらいいゲームになるかな。

日本代表23人の予想はかなり外した。期待した茂庭、阿部、そして松井がいない。久保が外れたことは....仕方ないよなと思うけど、ジーコ、めずらしく勇気を見せたなという印象。しかし、小笠原、中田浩が入ったことは意外でしかない。小笠原を入れるなら、中田浩を入れるくらいなら....と松井、阿部、茂庭のポテンシャルの大きさのことを考えてしまう。

サプライズ人事なんて表現されているけど、エリクソンやドメネクが提供したサプライズに比べればなんのびっくりでもない。家長、あるいは本田が選ばれたとき、その言葉は使われてしかり、だろう。

それでも駒野、そしてもちろん、巻、やったね! おめでとう。

May 16, 2006 in football | | Comments (5)

05/15/2006

皇帝、『美しき運命の傷痕』

起床後『題名のない音楽会』でフジコ・ヘミングの『皇帝』第2、3楽章をやっているのを観る。彼女のピアノは初めて。きらびやかというか、ミーハーな音だなと思う。ベートーベンのピアノだったら一番馴染んでいるのがバックハウスなのでそう聴こえるのかもしれない。
一度聴けばじゅうぶんかなあという音であった。

モーニングショーを観るためにテアトル梅田までチャリを飛ばす。

それにしても『美しき運命の傷痕』というタイトル。
どうしてこんな邦題をつけるのだろう。キェシロフスキの原案だと知ることがなければ観に行く気にもならなかっただろうな。原題通り、『地獄』でいいじゃないか。って、それじゃ尚更お客さんこないか(笑)

冒頭、カッコウの托卵、同じ巣の中で他の鳥の卵より早く孵ったヒナが他の卵を落としていく光景は、ある意味衝撃的で印象に残る。この作品のメタファーか。この映像は後半、自分の論文に対する質疑応答なのだろうか、三女が自分の通う大学の教授たちの前で語る王女メディアの逸話と絡み合う。

何にしても不倫と子殺しはいつの時代にもある(この映画に実際の子殺しは出てこない。メンタル的な子殺しがクローズアップされているだけで)。遺伝子という言葉で片付けたくもないけど、その思惑に従えば仕方のないことなのだろう。長女は夫の不倫(これがなんというか、男の僕から見ても愚かで可愛いものなんだけど笑)を許せず、男の身勝手に苛まれるあまり自分の身勝手さに盲目になり、子供をうまく愛することができない。多分、自分の母親がやってきたことを自分も繰り返しているのだということにさえ気付いていない。
三女は不倫相手の大学教授(ジャック・ペラン)との子供を身ごもり、教授の(自分の友人でもある)娘を容赦なく傷つけることになる。
彼女たちの母親(キャロル・ブーケ)はまだ彼女たちが少女だった頃、夫の少年愛の行為を目撃して(それは結局誤解だったのだけど)激怒し、娘たちを手放した。
ただ、次女は少女時代のトラウマからずっと男に対して臆病なままで、不器用なりに捕まえたと思った男はゲイだったというのは、遺伝子の企みからすれば失敗だったということか。ただ、この男はこの映画の重要な鍵になっている。詳細はもちろんここでは言えない。

確かに「運命」あるいは「偶然」という言葉がキーワードになっているけど、それは言葉にしか過ぎなく、その言葉を使うこと自体が弱さであると同時に人間であることの証明でもあることを思えば、まあ、情なんてどれも移ろいやすくはかないものなのですね。ジャン・ロシュフォールの手にしている万華鏡がそれを表現しているように思えてしかたなかった。Lenfer

そのはかなさを無視するというのか、鼻で笑うことのできるキャロル・ブーケ演ずる母親の存在感に驚愕する。というか、キャロル・ブーケの役者根性に絶句したという方がしっくりくるか。


ファーストシーン、巣から落ちたカッコウのヒナを刑務所から出てきた父親が救い上げて巣に戻したのは遺伝子の企みに対する痛烈な皮肉であり、ささやかな抵抗か? 救いはある.....
と一瞬思ったが、正反対か。

May 15, 2006 in films | | Comments (0)

05/14/2006

『スカーフェイス』、『綴り字のシーズン』、最終代表予想、iPhone。

案の定この週末も雨。朝から見事にずーっと霧雨。こういう天気もあるものだね。
いろいろ予定を立てていたけど、崩れた。
昨夜から観ていたデ・パルマの『スカーフェイス』の続きを観る。デ・パルマにしては率直な撮り方をしていてちょっと拍子抜けする。カメラの移動はらしい部分もあるのだけど、なんというのだろう、めくるめきを感じない。逆にパチーノは何を血迷ったのかめっちゃ気合いが入っている。もとからアクの強い役者なのに。ここまで役作りにこだわるとうっとうしくもなる。でもそういうところがパチーノらしいんだけどさ。

午後から、公開時に劇場で観たかった『綴り字のシーズン』。
ジュリエット・ビノシュが出ていたとは知らなくて、かなり意識してしまった(笑) 好きな役者ではないのだけど意識させられる役者ってのも妙だな。そういえばカラックスは今どうしているのだろう、とか思ってさ(笑)(笑)
縦軸に『E.T.』の頃のドリュー・バリモアをもうちょっと賢そうにした感じの子役が綴り字コンクールで全国大会に進んでいく過程を、横軸に壊れていく家族の絆を絡めるというハリウッド映画の王道の構成なんだけど、楽しめた。

夕方遅くになっても驟雨は変わらず、チャリで濡れながら区民プールへ。思いの外泳ぐひとは多い。みんなきちんとルーティンをこなしているんだね。
泳いだ後、ジムのトレッドミルで25分だけ走り、3週間ぶりにあちこち筋肉をいじめる。息が上がることはないけど腰から下がずっしり重くて、歳を重ねるごとにストレスに弱くなったことを実感する。ストレッチだけは毎夜でもやらなきゃ、だけど、アルコール摂取せずにいられるか....(笑)

帰宅したら代表のスコットランド戦がハーフタイムに入っていた。案の定、スコアレス。この試合で代表の切符を最後に手中にできる選手が出てくるとは思えない、と後半を通して観て、思った。かろうじて巻が入るか。

明後日の代表発表、この23人でいこう。
変わり映えしないけど、ジーコにこれ以上なにを期待すればいい?
  GK 川口 土井 楢崎
  DF 中澤 田中誠 宮本 坪井 アレ 茂庭 駒野
  MF 小野 中村 中田英 阿部 松井 加地 福西 稲本  
  FW 久保 大黒 柳沢 高原 巻

小笠原、中田浩、遠藤、玉田は外れる。リーグ戦にさえでていないアーセナルの17歳が最終代表に選ばれたイングランドのようなサプライズはとても期待できない。本田を、あるいは家長を、とは思うのだけど。FWに期するものは一層に、ない。

ボーダフォンがソフトバンクに買収されて今年中にブランド名も変わるだろうということで、auに変えるかどうしようかと迷っていたのですけど、appleと提携する動きがあるようで、このままボーダフォンを使い続けて行く気になった。なんつったって、iPod機能付き携帯だもんね。iPhoneの話についてもいろいろでていたみたいだけど、まさかソフトバンクとつながるとは思わなかった。

しかし凄い進化のスピードだな。iPod機能付き携帯か。ということは当然携帯からネットでiTunesにつなぐことができるようになるのだろうけど、そこまでして音楽を突っ込みたくはない。MacからUSB接続してライブラリから落とすことになるのだろうな。パケット料を増やす気はないし。
なにはともあれ、デザインが楽しみ。

May 14, 2006 in life | | Comments (0)

05/07/2006

「熱狂の日」、40番。

今朝は一度6時半に起きたのだけど、眠いというより身体がしんどかったので2度寝。爆睡して11時に起きる。週末、また雨だ。今年はこういう気象の流れになっているのだろうか。ぐだぐだ過ごしたくもなかったので正午に区民プールへ。一昨日あたりから背中〜首がおかしくなってきているのでそれをほぐす意味でものんびり泳ぐ。

WBCが開催された時からウチの相方は野球ファンになってしまって、大リーグも含めて野球放送があるときはほとんどチャンネルはそれにあわせられている。もちろん平日も朝からBS1の大リーグ生中継。休日、Jリーグ放送がない時間帯に野球放送に合わせられたときは仕方がないので僕はヘッドホンでレコードなりiTunesで音楽を鳴らしているのがたいてい。
なんでもいいのだけど、ひいきにしているのが大リーグではテキサス(大家がいるとこ)、プロ野球だったら横浜(現在最下位)ってのがよくわからない。まあ彼女の場合、チームより先にWBCに出場していたプレーヤーありきだから、かわいいもんである。でも僕は野球には興味がないので最近の彼女の話にはついていけない。それがつらいといえばつらいし、ときにはうるさい(笑)

プールから帰ったらテレビでは雨の中横浜vs阪神をやっていて、例に漏れず僕はスークのバッハをヘッドホンで聴く。モーツァルトイヤーということで先日東京での「熱狂の日」(オフィシャルのブログが充実していて面白い)をNHKが生中継していて、アンケートによるベストテンを面白く観た。僕ならベスト5以下だったクラリネットコンチェルト(プリンツよりザビーネ・マイヤー)と交響曲40番(最近はワルター指揮、コロンビア交響楽団)がベストを分け合っているけど、3台のピアノのためのコンチェルトがベスト1だったのかな、ちょっと泡食った感じ。聴いた事ないし。
それにしてもエンリコ・オノフリ指揮するディヴィノ・ソスピロの40番は聴いてみたかった!

May 7, 2006 in music | | Comments (2)

05/06/2006

『ライフ・イズ・ミラクル』

『アンダーグラウンド』のエミール・クストリツァ。変わらない骨太のユーモアセンス。パワフルで、おおらかだ。息つく暇もくれない冒頭シーンでの笑いからラストカットまでクストリツァ節、ぎっしり。
楽しい。

旧ユーゴという一触即発の状況を何度も越えてきた土地柄故なのだろうか。じたばたしてても何も始まらない、楽しまなきゃ、という人生観? 違うか、もっとぎりぎりの、切羽詰まった感覚の裏返しだよな。豪放さは、悲劇の意味を知っているという裏付けがあってこそ。
死に親しんでいる日常じゃなきゃ、こうはいかないだろうね。
パルチザン・ベオグラード(鈴木隆行の所属するレッドスター・ベオグラードの永遠の敵)からオファーがあったその日のうちに徴兵招集の知らせがきた息子の壮行会があった翌日、父親ルカが苛まれた神経をどうすることもできずにボスニアでの市街戦を伝えるテレビを銃でぶっ放して荒れる様子なんか、特にそんなことを感じさせました。

これはどうあがいても日本映画にはできない作風ですね。岡本喜八が中上健次の小説を映画化したらあるいは同じような感覚を持てる作品になったかもしれない。
クストリツァはサラエボ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)出身のはずだけど、旧ユーゴで映画を撮るようになったのにはどういう事情があったのだろう。サラエボではとても映画なんて撮れなかったのだろうか。

Solak4

ザバーハを演じたナターシャ・ソラックが素晴らしい。タヴィアーニ兄弟の『グッド・モーニング・バビロン』でのグレタ・スカッキを思い出させるけど、あそこまでセンシブルでもない。もっと土臭く野太い魅力がある。これが映画出演2作目とはとても思えない。

May 6, 2006 in films | | Comments (0)

05/04/2006

浦和11節、朝日支局襲撃から19年。

とてもよく晴れた休日。
だからゆっくり寝ていればいいのに8時に目が覚めてしまう。歳なんだろうか(笑)
スークのバッハを鳴らしてのんびり過ごした後、WebしながらマンチェスターTVでチェルシーが連覇したゲームをかいつまんで見る。もちろん録画は今夜チェルシーTVですることにして、あとでゆっくり観るつもり。それでもジョー・コールの卓越したバランス感覚に歓喜してしまう。

Pandoraでプリンス、マーヴィン・ゲイ(昨日観た『ブロークン・フラワーズ』で "I Want You" がかかっていたもので)設定を流しっぱなしにしながら昼食をすませ、こなれたところで淀川河川敷を走る。GW中日、家族連れのバーベキューパーティーたけなわで、いやー、にぎやかなこと。フットサルのボールも持っていったのだけどちょっと遊べないなあと、走るだけにしておく。久しぶりに土の上を走ると後でかなり下肢にくるので、今夜はしっかりケアしておこう。

千葉vs浦和。
前半千葉に奔放に走られ、翻弄される。走り負けたらミスをされない限りチャンスメイクはできないわけで、浦和は完全にゲームを支配されていた。山岸のファインセーブがなかったら前半2-0で終わっていたかもしれない。アレックスがキレているかわりに長谷部に元気がないのが気になる。つまらないイエローをもらったし。
ポンテの個人技から絶妙のパスがワシントンにつながったときは決まった! と思ったのだけど、立石に阻まれる。このシーンの個人技量あってこその連携は堪能させられた。

後半、案の定長谷部に代わって細貝。戦術をディフェンシヴにする意図があるわけではないだろう。これで小野がどう動くことになるのだろうと見ていたのだけどどうもおかしい。まさか後半足の止まり始めた千葉相手にここまでぐだぐだな試合を展開することになろうとは。ワシントンへのロングボール1本狙いである。永井、岡野を投入しても有機的な連携は皆無。流れの中でのオプションが何も見えてこない。つっか、啓太と長谷部がいないだけでこうも不甲斐なくなるとはね。今日ぐらい田中達也が不在であることの意味を考えさせられたことはない。
千葉、言うことなしの完勝。サッカーはとにかく走りさえすれば何かが拓けることを証明したゲーム。

朝日新聞支局襲撃事件から19年。当時2歳だった娘さんももう21歳。当時支局のすぐ近くに住んでいたこともあってバブルがはじけた後のあの時代の殺伐とした空気をはっきり思い出す。っつうか、その空気は今でも引きずられているようにも感じる。いろんな意味でここ十数年は転換期なのかもしれない。民主党がライブドア絡みであれだけの茶番劇を演じていながら小沢が党首になっていきなり何かが変わろうとしているし。そんなにイージーなことではないはずなのに。

May 4, 2006 in life | | Comments (0)

05/03/2006

『ブロークン・フラワーズ』、2、3のこと。

多分、ジム・ジャームッシュは映画というメディアを使って語りたいことなど何もない。ジャームッシュが登場人物に語らせる言葉はすべて日常で、ありふれている。ラスト近く、旅の途上の青年につぶやく警句めいた台詞にも深い意味はない。ただ、真実ではあるかもしれない。
映画として表現される以上、受け取る側への配慮はあってしかるべきだろうけど、ジャームッシュ作品においてはただ造形された登場人物たちに対する自身の愛情があるばかり。加えて、映画を作るという行為への愛と。
そんなことをしみじみと感じた。

音楽といいドン(ビル・マーレイ)が着るフレッド・ペリーの2本線のジャージといい、のっけからグルーヴィーだ。隣家のエチオピア系らしい家族のノリといい。ごくあたりまえのことをしかつめらしくしゃべるこのエチオピア系の旦那がめちゃくちゃ楽しい。
ドンは何種類かのジャージを着ていたけど、全部2本線のフレッド・ペリーだった(笑) この2本線は何を意味していたのだろう? 旅の青年が着ていたジャージも2本線だったし、ラスト、途方に暮れて立ちつくすドンの後方にある道路のセンターラインも同色の2本線だったし。ジャームッシュのただのアソビゴコロ?

それにしてもビル・マーレイは何も変わらないね。進歩しない、とも言うけど(笑) これほど演技のスタイルを変えたり凝った役作りをいっさいしない役者も希有。ほんとうにほんのちょっとした表情の変化だけでその映画に夢中にさせる。
だいたい、あんなふうにソファに横たわることのできる俳優なんて他にいないよな。

他に感じたこと、2、3。
・隣人のエチオピア系の奥さんを演じた女優のきれいさに絶句した。ほかに何に出演しているのだろう。
・ジェシカ・ラングはちょっと凄いキャリアの積み重ね方をしてきている。『ビッグ・フィッシュ』での彼女はもう女神としかいいようがない寛容さを感じさせたのに、この作品でのネガティヴさは何だ?
・ドンの元恋人のひとり、バイカーの女優はデレク・ジャーマンのミューズだった女優らしい。そんなことをウチの相方に教えられても、だいたいデレク・ジャーマンの作品なんてほとんどストーリー性はないから覚えているわけがない。
・エチオピアンミュージックのことを調べてみよう。これはよかった。追いかけたい、ムラトゥ・アシュタトゥケ

May 3, 2006 in films | | Comments (6)