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07/31/2006

女子代表戦、走れるサッカー、すだれ、川上弘美。

女子サッカー日本代表の北朝鮮戦、パスはゆるいし、走らないし、意味のないロングパスを蹴るしでひどいゲームだなと思っていた一方で、北朝鮮のあれほどのネガティブな雰囲気をどう導いたらこうも走るサッカーを実践できるようになるのだろうと、感嘆するしかなかった。こういう重要なゲームでのメンタルの差を見せつけられた感じ。
っつうか、日本代表は誰も勝つ気がなかったんじゃないかと思えるほど。ベンチの差というのもかなりあるかもしれない。

前節浦和の大分戦、内舘からのパスを素晴らしすぎるワントラップから振り抜いた田中達也のゴールはもう遠い昔のようで昨日の甲府戦は通して観る気にもなれないのだけど、千葉vs名古屋を観ながら、ハースがこれだけ走っているのにどうして浦和は走らないのだろうとしんみりしてしまう。ドイツの合宿が大失敗だったことをこんな形で確認してしまうなんて思いもしなかったよ。走らないのではなくて、走れないんだよな?

で、いきなりヨンセンがフィットして千葉完敗の趣だったけど、それにしてもフクアリのピッチのひどさは何だ、一時期の神戸ウイングよりひどいことになっているんじゃないか? 芝生の管理育成システムがこの国ではまだ確立していないなんてことはあるまいに。ピッチの緑が記憶に伴わない夏のサッカーなんてサッカーじゃないよな。
つっかやっぱり、日本の気象条件を考えれば、夏にゲームなんてするべきではないのだろうけど。

西日がまともに差してくるリビングのあまりの暑さに、Sudare_1ウチの相方はジャスコで和風とPOPに書かれていたらしいすだれを買ってきた。和風? うーん、アジアンだな。

半身浴をしながら川上弘美の『ニシノユキヒコの恋と冒険』を読む。ネタはともかく、連作短編としての構成が絶妙。当事者である女ったらしのニシノユキヒコよりそれぞれの時間においてニシノを語る女性たちの方がむしろ主人公で、ニシノの造形は意識的なものか、稀薄。
それがいい。

週にいっぺんの水泳じゃ足りない。首と背中の痛み(バックペインというやつ)がどうしようもなくて(毒素が盛られてるんじゃなかろうか)、相方にマジョラムとティートゥリーをブレンドしたオイルで背中をマッサージしてもらい、生き返る。

July 31, 2006 in life | | Comments (0) | TrackBack (0)

07/30/2006

『やさしい生活』

ほとんど邦画は観ないくせに前作『ヴァイブレータ』で度肝を抜かれた寺島–廣木コンビのこの作品だけは気になっていて、大阪での公開を見逃したけど昨日から神戸で始まったモーニングショーを狙って早起きした。ただ最近の寺島しのぶの演技を見たいだけだといえばいえる。
今はさすがに眠い。

観ながらこれは荒井の脚本ちゃうの? と思っていたら案の定エンドロールで荒井晴彦のクレジットが流れたのでちょっと滅入った。リアルタイムの女性を描くのに定評のある作家とはいえ、なぜこれくらいキャッチーなシチュエーション(蒲田の風景への「ノスタルジー」とかEDとかネットでの痴漢募集とか)が横溢した作品を若い人に書かせないのだろうと思ってさ。さすがに豊川悦司や田口トモロヲ等、優しくて不甲斐ない男たちの描写力には唸らされましたけど、確かに。でも案外そういうリアルタイムなものは同世代には映画の脚本としては表現しにくいモノなのかもしれない。

寺島しのぶはいわずもがなの存在感と、絶妙の浮遊感を漂わせていた。でも自分という器を撮影の鈴木一博を含めた廣木–荒井チームで持て余している感も否めない。同世代の共感を得やすいこういうネタでは他の追従を許さない(っつうか、いないんだな、日本人女優が)のはもう分かっているから、早いとこ別天地を求めた方が映画界のため、というような気がする。

カラオケボックスで尾崎豊をフルコーラス歌ったのには唖然としたけど、いやー、豊川、寺島を喰うほどに役を消化していました。男でも惚れるね。

July 30, 2006 in films | | Comments (0) | TrackBack (1)

07/22/2006

カフェ"CASHMERE"、新生達也(川崎戦)。

ラストオーダーには充分間に合いそうな時間に仕事が終わったので、晩ごはんはチャリを飛ばして中津のCASHMERE(カシミア)へ。梅田近辺のカフェには裏切られることが多いのだけど、ここは当たりというほどではないけど、まあ、くつろげる。近所にカンテグランデ本店があるけど、そっちよりは年齢層が10歳くらい若いかもしれない。Cashmere2

居酒屋使いも出来そうなカフェメニューのわりにはごくごくフツーの味わいで可もなく不可もなく。お味噌汁はマジで!? とハッとするほど美味しくなかった。総合的にはビミョーですね。お昼にくる方がまだいいかも。ただ、1stアニバーサリーの最終日とかでビールを1杯タダで飲めたので良しとする。

帰宅して、川崎vs浦和を録画観戦。前節新潟戦は相当ヒドかったらしくて、まだ観ていない。
なんか、ちょっと引き気味でカウンター狙いなのか。平川、アレがいい上がりを見せて、小野は走っているし、パスもバシッと通っている。これでどうして新潟に完封されるの? スペースがないところで通した田中達也からアレへのパスは見事だったし。
その達也が決めた。シュートモーションが以前よりコンパクトに、速くなった様な気がするんだけど、これはエメが残した財産? しかしあの位置でニアに蹴るとはね。凄い。
ポンテもワシントンもいない中でこういう走るサッカーで完封出来たというのは嬉しいものだ。ふたりがいなくてもこの方向性で勝ち続けてほしいという気分。でもワシントンと達也の絡みは観たいよな、やっぱり。

July 22, 2006 in cafe | | Comments (2) | TrackBack (0)

07/18/2006

『美しい人』

予備知識なく観た。シシー・スペイセク、グレン・クローズ、ダコタ・ファニング(!)が出ている事も知らなかったし、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが製作総指揮をやっているなんてエンドロールが出てくるまで知らなかった。撮ったロドリゴ・マルケスの『彼女を見ればわかること』は観ていたのだけど、まさかガルシア・マルケスの息子だなんて。

9編のオムニバス。1編目の『サンドラ』の途中から、あれっ? と思ったけど、結局一番驚いたのは9編すべてワンシーン・ワンカットで撮られている、ということでした。最近の映画ではガス・ヴァン・サントの『エレファント』の長回しに若さを持て余して気付かないうちに火傷してしまうというような酩酊の感覚を覚えたけど、この『美しい人』ではなんというのだろう、『ローナ』の章での "life goes on" という台詞にワンシーン・ワンカットの意義があるなあとしみじみ思ってしまった。なんか、チェホフやなあ、ってさ。刹那的だけどそれぞれの諦観がリアルに息づいていて、その息づかいをせつないと思わせる。2章目『ダイアナ』なんかその最たるもの。
そんな長回し。
最終章、グレン・クローズの "maggie" の台詞、"we move on, ....we go on" がこの映画のすべて。意味を求めるのは儚いですね。

そういえば "life goes on" ってイニャリトゥの "21g" の中でショーン・ペンがつぶやく台詞だし、ペンの奥方は2章目の『ダイアナ』として出演しているし、いろいろと繋がっている映画なのでした。

オフィシャルを見てみたらロドリゴ・マルケスはヘミングウェイ、チェホフ、カーヴァーの小説の熱烈なファンのようで、納得。カーヴァーの短編集『ショートカッツ』を撮ったアルトマンはこの映画をどう評しているのだろう。

July 18, 2006 in films | | Comments (10)

07/15/2006

セリエA、八百長の結末。

ユーヴェ降格。前代未聞ではないのか? でもまあ、きっちりしていて、いいんじゃないかと思う。少しは協会の勇気を感じる。イタリア的政治はフットボール界には及ばないということを英断をもって潔く実践してみせたということだろう。ラツィオ、フィオレンティーナも落ちて、来季からは暫くパルマ、ローマ、ミランとインテルの四つ巴になるのか。あるいは勢力図がすっかり変わってしまう事を期待してもいいのか。

しかしユーヴェ、ほんまに落ちるとはね。
いったい誰が残るのだろう、と思う。カモラネージ、トレゼゲ、テュラム、エメルソン、ブッフォンは動くだろうけど、カンナバーロ、デル・ピエロ、ネドヴェドは残りそうな気がする。

July 15, 2006 in football | | Comments (2)

07/12/2006

オシムの次、マセラッティ。

テポドンが発射されてNHKがW杯からいきなり番組を報道番組に変えてもウチではW杯の録画はBSでやっていたので、結局ウチの相方は今大会全試合録画できたらしい(つまらなすぎた2試合は既に消去したらしいが、どのカードなのか不明)。
あっぱれである。
しかしWBCもW杯も終わって、今年これから彼女は何に日々のモチベーションを求めるのだろうかと思うと、ちょっとしんみりとしてしまう。だってこれからオールスターがあるじゃん!(野球を含む)って言っているけど、溜め息しか出ない。
結局、ただのお祭り好きなんだよな(さらにしんみり)。

イビチャ・オシムが代表監督を引き受けるということになったけど、特に期するところはない。ちょっとドタバタあって西部氏がコラムで疑問提示(正論)したことを参考にしたのかどうか知らないけど、千葉はそれなりの代償を協会に対して金銭によって求めることとした。
正当だろうけど、まだなんかしっくりこない。どれも人間のやることだ。完全無欠の解決策はどこにもない。
オシムには、ジーコには出来なかった「次につながる」結果を求めるだけでよしとしよう、と思う。8年後、南アフリカ大会の次、だろうな。長い.....けど、その頃Jが発足してやっと20年経つ頃だし、W杯ベスト4進出を願うのにはもう何の不遜さもないだろう。

別に村上春樹の『ダンスダンスダンス』が引っかかっていたワケでもないのだけど、イタリアのマセラッティには好感を持てなかった(その小説の中での殺人者の愛車がマセラッティだった。スゲー刷り込みだよな笑)。で、W杯ファイナルであんなことになって、あー、やっぱりきたかよ、マセラッティ、という印象。
まあ、この件には解答は出ないような気がする。はっきりしているのはジダンの行為は報復行為だったということだけだ。

July 12, 2006 in football | | Comments (0)

07/10/2006

美しい時間。

個人的には熱狂にはほど遠かったけど、なにはともあれドイツW杯も大団円を迎えることになった。フランスvsイタリアのファイナルなんて予想だにしなかったカードだけど、まあ、どっちもラテンだ、楽しいゲームを期待したい。っつったって、リアル観戦する体力はないけどさ。

それにしても中南米のチームがベスト4にさえ残らなかったのにW杯なんて言ってられんのかよ。これじゃユーロじゃん? 北欧、東欧はおろか、アフリカのチームさえ消えた。次の南アフリカ大会ではベスト8にアフリカ、北欧、東欧、中南米勢がそれぞれ1チームは残ってほしいものだけど、どうなることやら。趨勢はしばらく欧州にあると言わざるを得ない。

今朝の3位決定戦、ポルトガルは明らかにモチベーションを失っていて、デコも抑え込まれてなんだかなあのゲームだったけど、終了間際のフィーゴのクロスには度肝を抜かれた。これをクロスと言わずして何と言う? 有終の美を飾るプレーとしては最高にせつない弾道を描いていた。C.ロナウドの、ライトセーバーが宙を切る時の不穏な音を聞くような無回転のシュートも凄かったけど。

フランス大会でのベルカンプのシュートのように記憶に残るプレーはいくつかある。マキシ・ロドリゲスの、あるいはロシツキの、ジョー・コールのシュートもそうだけど、今大会のゴールはGリーグ、セルビア・モンテネグロ戦でのカンビアッソのゴールに尽きる。オランダ、ポルトガルが昇華できなかっただけに、このシュートに至る時間帯の美しさが際立つ大会になったように思う。チームが成熟しているとはこういうシーンにおいて確認することができるのですね。貴腐ワインを飲んでいる時間帯のような。
いや、まだ飲んだことないんだけどさ。

July 10, 2006 in films | | Comments (0)

07/03/2006

ポルトガル、『エンジェルス・イン・アメリカ』、サンミゲルの黒。

昨夜はチリの安いソーヴィニョンブランをン飲みながら(めっぽう美味しかった)DVDで『エンジェルス・イン・アメリカ』を観ていたら30分も経たないうちに爆睡してしまい、2時半ぐらいまでベッドの中。
あー、ポルトガル戦見逃したよと思いつつテレビをつけたら、PK戦になっていてランパードが外したとこじゃん! ベッカムは蹴らないしルーニーもいない。おまけにジェラードも外し、最後にはC.ロナウドが決めて雄叫び。
なんだなんだなんだ、勝ったのかよ!

というわけで、僕的にはこの大会唯一興奮した結末になりました。
おまけにフランスがブラジルを下した(なぜあそこでブラジルはアンリをどフリーにさせたのだろう?)おかげで、準決勝という同じ場でポルトガルはフランスに対して2000ユーロの雪辱を果たす機会を得る事になった。特にフィーゴは今から燃えていることだろう。因縁の対戦なんて形容されてほしくないけど、まあ、いろんな意味で中身の濃いゲームになりそうな気がする。楽しみ。

そういえばチェルシー所属のフランス代表にはギャラスもマケレレもいる。準決勝、フランスvsポルトガルはモウリーニョにとって準々決勝のイングランド(テリー、ランパード、ジョー・コール)戦同様、感慨深いものになるだろう。

昼間、『エンジェルス・イン・アメリカ』の続きを観る。エイズを中心とした再生を願う人々の物語、とでもいうのだろうか。アル・パチーノは大熱演。うざいくらい。他、メリル・ストリープとエマ・トンプソンがそれぞれ3役演じているけど、こっちも力はいっている。エマ・トンプソンの天使はウケた。マイク・ニコルズらしい演出といえばいえるか。テーマは真摯なんだけど、どこか醒めて喜劇を残しているのですね。それがいい。

Confidence1_2 夕方からプールで泳ぎ、暗くなり始めてから中崎町のコンフィデンス・カフェへ。フィリピンのサンミゲルを飲む。めっちゃ美味い。相方はビンタンでした。

July 3, 2006 in life | | Comments (0)

07/01/2006

順当すぎてつまらない。

仕事しながらスポーツナビでW杯準決勝の1戦目を追っていたのだけど、アルゼンチン敗退の瞬間、ほんとになにもかもどーでもよくなった。チェコはトーナメント前に姿を消し、オランダもオランダらしいときめきを伝えることなく散り、ガーナはアイデアの乏しさを露呈させて逆にブラジルの爆発的な優雅さをちょっとだけ際立たせてしまった。せめてこの3チームにはベスト4に上がって欲しかったのだけど。

とにかく、あまりに予定調和的な大会に成り果ててしまったなー。これでウクライナ、ポルトガルも落ちてしまったらもうこれ以上この大会を追いかける気になれねえなー。なんとかポルトガルには勝ち残って、デコが戻ったところでブラジルとのカードが観てみたい気もするのだけど....

残っている国の選手たちのクラブチームを見てみるとやっぱりチェルシー(ランパード、ジョー・コール、テリー、カルバリョ、マニシェ、バラック)が目立っている。あとはレアル・マドリー(ベッカム、ロビーニョ、ジダン、ロナウド、ロベカル)、ユーヴェ(カンナバーロ、ブッフォン、ザンブロッタ、カモラネージ、デルピエロって、自国ばっかじゃん。)あたりが多いか。
ガーナ、オランダ、チェコが残り、そしてイングランドの四つ巴になっていたとしたら、チェルシーファンとしてはもう、堪えられない大会だったんだけどな(笑)

さてと。ぼちぼちイタリアvsウクライナが始まる。どうなるんだか。

で、帰宅したら案の定イタリアが2-0かよ......
と軽く失望していたらザンブロッタが素晴らしい切り返しからトニが軽く合わせて3点目。イマジネーションにおいて軽くいなされている気もする。仕方ない、実際のところ、イタリアはベスト4に残るのにふさわしいチームなのだろう。

あとはポルトガルか。

July 1, 2006 in football | | Comments (0)