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08/28/2006

『ミッドナイトムービー』

正直な話、「ミッドナイトムービー」と言われるジャンルの映画があったとは知らなかった。普通に公開しても全然当たらないけど深夜枠に回したところ口コミで評判になり、ロングランされるようになった映画のこと。いわゆるカルトムービーですね。70年代のヒッピームーブメントがのっかったのか逆にムーブメントにのっかったのか微妙だけど、まあとにかくアメリカのあの時代でなければ生まれ得なかった作品群。
映画『ミッドナイトムービー』では以下の6本が紹介されている。

『エル・トポ』アレハンドロ・ホドロフスキー監督
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』ジョージ・A・ロメロ監督
『ピンク・フラミンゴ』ジョン・ウォーターズ監督
『ハーダー・ゼイ・カム』ペリー・ヘンゼル監督
『ロッキー・ホラー・ショウ』リチャード・オブライエン脚本・出演
『イレイザーヘッド』デイヴィット・リンチ監督

ホドロフスキ−の映画は『サンタ・サングレ』『ホーリー・マウンテン』は観ているけど『エル・トポ』は観ていない。それは順序が逆だろうと思われようが、まあ、時代的に仕方がない。深夜映画かなんかで『ホーリー・マウンテン』を観て度肝を抜かれ、そのうちにリアルタイムで『サンタ・サングレ』を観る機会に恵まれたけど、『エル・トポ』はまだだ。レンタルすればいつでも観れるのだろうけど、さすがにこれは劇場で観たいよな。

ジョン・ウォオーターズ。お下劣であることに1%の尊厳を添えることができた男。尊厳と言う言葉はレトリックではない。目前に映像として現前するものだ。ディヴァインなくしてそれは不可能だったろうけど、時代がウォーターズを迎え入れる隙を見せるほど混乱していたという要素もあった。この二人の邂逅は奇跡だろう。その僥倖に授かった人達のことを思うと、アメリカが自由だった時代ってやっぱりあったんだよなとしみじみ思う。

それにしてもウォ−ターズ、ブーシェミに似過ぎ!(笑)
いや、逆なんだろうけどさ。

ペリー・ヘンゼルの『ハーダー・ゼイ・カム』はDVDに焼いているのだけどまだ観ていない。この映画がアメリカに上陸することがなかったら、ウェイラーズを聴く機会なんてなかったかもしれない。それだけ重要な映画なのだけど、人生は短過ぎる。それでも後悔する前に観なきゃ。

ジョージ・A・ロメロ。
うーん、語りたいことは何もない(笑)

デヴィッド・リンチ。
複雑だな。
『イレイザー・ヘッド』はビデオで観ているうちに爆睡した記憶があるけど、僕にとってのリンチ初体験は『デューン/砂の惑星』だった。この映画はなんというか、しんと胸に沁みた。カイル・マクラクランはまだ無垢で、ショーン・ヤングは最後の輝きを放っていた。リンチはいろいろ小細工を施してきたけど、この時期の二人の前には意味がなかった。
『ブルー・ベルベット』はスノッブに過ぎて馴染めなかった。この映画について語る人が多過ぎたせいかもしれない。イザベラ・ロッセリーニの裸体とディーン・ストックウェルの唄は衝撃的だったけど、シナリオ的には「あまり普通じゃない」という、ただそれだけの映画だった。『ストレイト・ストーリー』の方が愛情に満ちているぶんだけまた観ることもあると思う。
『イレイザー・ヘッド』、これが深夜枠でロングランされたというのにはちょっと気が重くなる。できることなら昼間、スカスカの映画館で観たい作品。

『ロッキー・ホラー・ショー』についてなにか語るのは野暮だろう。この映画ほど観客に消化され尽くされた映画もなかなかない。ティム・カリーは一世一代の名演っつうか、爆演だけど、1980年の青春映画『タイムズ・スクエア』でのラジオのカリスマDJ役も光っていた。最近何に出演しているのだろう。

August 28, 2006 in films |

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