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06/08/2007

ベルリオーズ『ファウストの劫罰』

オペラCD紹介第3弾はベルリオーズの『ファウストの劫罰』、ケント・ナガノ指揮、リヨン歌劇場管弦楽団。

『ファウストの劫罰』といえば小澤というのが定番らしいけど、小澤の99年のサイトウ・キネンの公演ではメフィストーはホセ・ファン・ダム(Jose Van Dam)、マルガレーテはスーザン・グラハム(Susan Graham)。今回聴いたケント・ナガノ指揮、リヨン国立歌劇団のもの(1994年録音)も、この二人である。
案外、この演奏を聴いて、小澤はこの二人に決めたのかもしれない。

メゾ・ソプラノのグラハムは、ベルリオーズ歌い、といっていのだろう、フランスものが得意。ショソンとかドビュッシーとかよく歌っている。モーリス・ラヴェルとか。
Amazonでは「千変万化するその声は、明瞭さ、美しさともに完ぺきで、磨き上げられたブロンズのような柔らかい輝きを放っているが、絶頂でヴィブラートを抑えることにより、いっそう明るさと鮮烈さを増す。」と評されていて、確かにすこーんと抜けているのだけど、生真面目な印象で、ダークな魅力には欠ける。ショソンを得意にするならば頽廃をモノにしているのだろうなと思わせるのだが、欲望とか、どろっとした部分の表現が稀薄な気がする。
でもまあ、マルガレーテにそんなものを期待しても詮無い。グラハムのマルガレーテは、可憐で、繊細。王道か。

むしろ原作同様、メフィストフェレスと合唱を楽しむ舞台のようにも思う。でも、CDで物語がどう進行しているのか分かるはずもなく、ベルリオーズ版自体、物語としてはそうとう破綻しているらしい。
それでも、浸れます。

Kentnagano

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去の紹介エントリ
■ドリーブ『ラクメ
■ヘンデル『アリオダンテ

 

June 8, 2007 in music |

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