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01/19/2008

キーマンは細貝か。

ストーブリーグもほぼ落ち着いたようです。ほぼ順調にシーズンオフを終えそうなチームもあれば、羽生、佐藤、山岸、水本、水野といった代表級の選手がごっそり抜けて、取り繕ったようなフロントの発表に他サポからも顰蹙を買われている千葉というチームもあり。しかしこれ、ちょっと前代未聞の醜聞では? 相当、酷いね。新潟から坂本が戻りはしたものの、このままでは今季の降格争い候補間違いないか。

とはいっても浦和も申し分ないストーブリーグだったわけではなく。昨季を顧みて、また、下部育成がうまくいっていないことを考慮に入れれば、補強すべきは他にあるだろう? ってことで、ちょっとおさらい。

[行く者]
 ・ワシントン(フルミネンセ?)
 ・ネネ(退団)
 ・長谷部(ヴォルフスブルク、完全移籍)
 ・赤星(水戸ホーリーホック、レンタル)
 ・横山(山形、完全移籍)
[来る者]
 ・高原(フランクフルト、完全移籍)
 ・梅崎(大分トリニータ、完全移籍)
 ・エジミウソン(アルビレックス新潟)
 ・アレックス(ザルツブルクより復帰)
 ・近藤(愛媛FCより復帰)
 ・高崎寛之(FW、駒沢大)
 ・橋本真人(DF、市立船橋)
 ・林勇介(MF、盛岡商)
あと、小野は怪我が完全に治り次第ボーフムへ、という理解でいいのでしょうか?

で、思うことは...
»啓太とボランチを組むのは細貝でOK?
»あるいは阿部をDFで固定するなら、DF4枚で啓太のワンボランチ?
»その場合、ポンテが怪我から復帰していれば、ノブヒサを外して梅崎が右?
»結局DFの補強が一切なされなかったけど、細貝をユーティリティ的に使う?
»またあるいは、愛媛から近藤(DF)を戻したのは、使えると判断してのこと?
»いや、そうじゃなくて、DF橋本(190cm)が、もう使えるんだよ、ってこと?

何にしても今年はA3もなくACL予選もなく、有効なフォーメーションを探る時間はたっぷりあるので、昨年の轍を踏むことなくしっかり準備してほしいもの。

 

January 19, 2008 in reds | | Comments (0) | TrackBack (0)

01/14/2008

流通経大柏4-0藤枝東。

どちらを応援するというわけでもなかったけど、楽しめた。国立、超満員。この時期、みんなサッカーに飢えているんだね。

準々決勝だったか、藤枝東のコンビネーションが素晴らしかったのでその辺を期待したのだけど、流経大柏のプレッシャーが早く、コンパクトなつなぎがまったく出来ていなかった。流経大柏イレブン全員の、攻守の切り替えの徹底、そのスピードが見事。大前がスタメンじゃなくても(勝ち負けはわからないけど)、柏が圧倒していただろう。
高校生でここまで「勝つためにどうしたらいいか」という大前提が浸透しているというのが素晴らしいですね。ここに至るまでの本田監督の手腕の柔軟さなくしてこのチームはなかったろう。

チーム立ち上げの頃は、朝(個人技)と午後(チームプレー)の練習が「矛盾している」ということで、はじめは納得できない選手が随分といたようです。ただ、ボールを持てるのであれば、縦へ。縦に速く抜けられるドリブルであれば大歓迎。それ以外で、横にはうようなドリブルや、くるくると回るようなドリブルをするならば、ワンタッチやツータッチでさばいてほしいと言ってきました。それが、どうやらプリンスリーグの2〜3試合目ぐらいから徐々に出てきて、夏を越えて、この監督には言ってもダメだなと思ったのか(苦笑)、子どもも「(ボールを)持ちたい、持ちたい」とは言わなくなりました。やはり遊んでいるところを見ると、ボールをこねているのが一番楽しいんですよね。だけど、何をしに来たんだ? と聞く。(本田裕一郎監督会見

4得点すべてに絡んだ大前(J1清水が獲得)は、結局3大会連続得点王。あのキープ力、縦への突破力、そして左脚の振りの早さと強さはテレビで観ていても超高校級。そのうち和製メッシって言われるんだろうなと思っていたら、もう言われているんですね(笑)
なにより下半身の安定感には目を見張らされる。なんで高校生があんな角度からあの体勢で決められるのよ? という今日の2点目。腰椎のしなやかさと腹筋、股関節近辺の深いところにある筋肉のバランスのことを思わずにはいられないシュートでした。
大前を獲れなかったJ1他チーム、臍をかんでいることでしょうね。

January 14, 2008 in football | | Comments (0) | TrackBack (0)

01/12/2008

「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」

なんだかんだいって、ティム・バートンの作品はほとんど観ているような気がする。で、この「スウィーニー・ドット/フリート街の悪魔の理髪師」は最もバートンらしい作品の筆頭だろう。
ただ、好き嫌いははっきり分かれる。ウチの相方に聞いたが、女子トイレでは甚だ不評だったらしい。まあ、そうかもしれない。ミュージカルやジョン・シュレンジャーの映画で体験済みの方なら分かるだろうけど、かなりグロテスクな題材。それだけに、当代きっての寓話詩人バートンにはうってつけの話だったかもしれません。

ミュージカルは得意じゃないので判断しかねるけど、どうなんでしょう、この楽曲? これはミュージカルで使われたものをそのまま使っているのですよね? どうもピンとこなかったのだけど、ジョニー・デップの歌声が、というより、バートン演出にミュージカルはどうも水と油の感が最後まで拭えなかった。ヘレナ・ボナム・カーターも、ヘレナにしか演れない役だよなーと見入ったけど、あの歌声って、アリ? スウィーニーの歌はデップ自身が当てたらしいのだけど、ミセス・ラベットの歌声はヘレナ本人の声だったのかどうか。

映像的にR12とか規制されても仕方ないようなエグさで、その処理の仕方がまたバートンの真骨頂、という皮肉。このコメディ(コメディなんですよね、コレが)をコメディとして楽しむ感覚は、モンティ・パイソンを楽しめる感覚に通じるところがあるように思えた。
(追記:R15だったようです)

January 12, 2008 in films | | Comments (0) | TrackBack (6)

01/08/2008

さらさ花遊小路店。

Sarasahanayu_02_01 さらさ富小路店なき後、昨年11月に開店したさらさ花遊小路に行ってきました。富小路店の隠れ家的雰囲気が好きだったのでかなり期待していたのですが...

1階はサロン的空間。カウンターと、テーブルがふたつだけ、だったかな。とにかく広く感じます。立食パーティーとか気軽にできそうな。奥にソファが数脚あったので、ほんとにそういう目的のための空間なのかもしれません。Sarasahanayu_05_01

2階は横長に広大なカフェスペースになっていて、もしかしてこれ、商店街花遊小路の2階部分全てを占めているんじゃないか...というような広さです。天井も高いので、開放感はさらさ西陣店に匹敵するんじゃないか、と思えるくらい。
まあ、どっちにしろ、富小路店のいかにも京都らしい旧い長屋をそのままカフェ向きに造り込みました的な雰囲気を期待して行ったら、肩すかしを喰らうことは間違い無し。2階にもソファ席のスペースが取られているので、フツーに新京極通あるいは四条通を歩き疲れてどっかカフェでまったりしたいなー、という時のご用達としてはうってつけのカフェだけど、さらさファンとしては....どうなんでしょうね?

ドリンクとスイーツがそうとう充実していたので、ランチタイムはともかく、(今までの富小路店でのように)がっつり食べたい方には不向きかも。
Sarasahanayu_06_01

さらさ関連記事
さらさ富小路店、閉店。
さらさ5号店 PAUSA。

 

January 8, 2008 in cafe | | Comments (0) | TrackBack (0)

01/07/2008

「カイト・ランナー」カレード・ホッセイニ(追記あり)

読書の幸福とはこれだ。ディネーセン小説の読後感にも似た豊穣。とにかく文章が端正で読みやすい。

この小説は映画化された(2月9日公開)。先日「サラエボの花」を観に行った時、予告編が出てきたのでびっくりした。タイトルは「カイト・ランナー」ではない。小説の中での重要な台詞(キーワード)をタイトルにしている。ので、もはやネタバレもクソも一緒になってしまった。そのキーワードは、「君のためなら千回でも」。(マーク・フォスター監督)
公式ホームページ

この台詞がどういうシチュエーションで使われるのかはとても書けない(でも映画の方の予告編ではそのシーンがしっかり出ちゃっているんだよね)。読んでのお楽しみ。もうひとつ、「あんたのためなら、千回でも」というのも出てくる。主人公(私)の状況的には、こちらのほうがグッとくるものがある。

帯の文章を紹介。

12歳の冬、わたしは人を裏切り、嘘をつき、罪を犯した。
26年後、「もう一度やり直す道がある」という友人からの電話にカブールへ旅立つー。
自らを救う道を真に問う、心を揺さぶる救済の物語。

1970年代半ば以降のアフガニスタンの歴史に沿ってこの物語は展開する。著者のカレード・ホッセイニは1965年カブール生まれ(ベイエリア在住)だけに、ソ連侵入以前の、子供が子供らしくあった幸福なアフガン、タリバン侵入後の、荒廃しきったカブールの街の描写力が的確なんだろう、もう、情景がリアルに迫ってくる。
僕はずーっと堪えていたけど、一度だけ、堪えられなかったよ。

邦題は原題通りではなく、直訳の「凧追い」で良かったんじゃないかと思う。その方が実感として馴染むものがあったと思うのだけど。
それにしても、2006年翻訳が出たばかりなのに、中古で5,000円って....

カイト・ランナー
アーティストハウスパブリッシャーズ
カーレド ホッセイニ(著)Khaled Hosseini(原著)佐藤 耕士(翻訳)
発売日:2006-03
おすすめ度:5.0

●追記
1月8日付けの町山智浩のブログエントリ「君のためなら千回でも」で、小説が改題されていたことを知った。映画にあわせて変えられてしまったんですね。それなら5,000円の謎も解ける。「カイト・ランナー」が絶版になった、ってことなのだろう。それならしかたない。
しかし映画の原題は元の小説のまま、"The Kite Runner" だ。配給会社は原作をしっかり読んでタイトルを決めたのだろうけど、それで「君のためなら千回でも」じゃあ、あざとすぎるような気がする。商売根性まるだし。原作のことを何も考えなければ、そりゃ「君のためなら千回でも」のほうが(特に原作を読んでいない)客に訴えるものは大きいに決まっている。
でも、この作品を象徴するのは「凧追い」だ。そのタイトルの持つ意味の深さと広さを見失っていやしないか?

あと、アメリカでこの映画が公開直前に公開延期になったのだけど、その理由に絶句する。

主役の少年たちを演じたアフガニスタン人の子役の家族が「このまま映画を公開しないで欲しい。我々は殺されるかもしれないから」と訴えたからだ。

 

January 7, 2008 in books | | Comments (0) | TrackBack (0)

01/06/2008

「サラエボの花」

この映画の舞台となった地域に生まれ育ったイビツァ・オシムも公式HPにメッセージを寄せている。

我々、グルバヴィッツァの住人は、かつてサラエボのこの地区が、すべての者がともに共存し、生活を営み、サッカーをし、音楽を奏で、愛を語らえる象徴的な場所であったことを決して忘れない。我々はいまだに、そのような場所で紛争という悲劇が起きたことによって、殺戮や武装兵士による集団レイプ、諸々の憎悪に満ちた行為が繰り広げられたことを信じがたいと同時に、この様な事実を決して忘れ去ってはならない。グルバヴィッツァはいつの時代でも、慈愛深い人、スポーツ選手、インテリといった偉大な人々を生み出して来たが、他の場所からやってきた野蛮な悪人たちによって汚され、服従されようとされてしまった。しかし、この先もグルバヴィッツァの精神は生き続けるだろう。グルバヴィッツァとそこに生き続ける精神はそう生易しくかき消されることはない。(参照

このメッセージだけで、この映画の「意味」はすべて説明されていると思う。でもこの映画はそれだけであって、それ以上のものはない。2006年のベルリン映画祭で金熊賞を獲得してはいるが、ボスニア紛争が残した心の傷痕と葛藤を描くのに、これが初監督だという女性監督ヤスミラ・ジュバニッチは主演女優のミリャナ・カラノヴィッチ(クストリッツァ組)ひとりに頼り切っている。
舞台はボスニアだ、背景の表現の仕方はいくらでもあるだろうに、ちょっともったいない気がする。
廃墟と化した建造物をもっと利用するとか、俯瞰で街をとらえるとか(唯一、ピクニックもどきのシーンは美しかった)、異なる民族間でのちょっとした諍いのシーンを挟むとか、空間的な広がりをもたせる演出法はまだいくらでもあったはず。
それがジュバニッチ監督のスタイルなら、それはそれでいいんだけど、この題材が根本に持つ息苦しさからは最後まで逃れられなかった。

でも、それがこの映画の持つ(あるいは監督が持たせたかった)使命なら、仕方ないかもしれない。Saraebonohana_02

January 6, 2008 in films | | Comments (2) | TrackBack (0)

2007年、映画ベスト4。

あけましておめでとうございます。
昨年はサッカー関連のエントリばかりでしたが、今年はもっと幅広く攻めていくよう、努めますので、よろしくお願いします。

で、昨年の映画ベスト4。いかんせん、映画館で見た本数が試写会より少ないという、前代未聞の1年でしたので、必然的にDVD観賞のものを含む、とさせて頂きます。あしからず。とはいってもDVDでさえ数えるほどしか観ていない。。。

4.睡眠恋愛のすすめ
監督は「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー、主演はガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲーンズブール。
これは挿入曲がベルベット・アンダーグラウンドの"After Hours"と知ってDVD観賞。こういう観方があってもいいですよね。好きな曲です。映画の中では"If You Rescue Me"という曲にアレンジされています。
映画自体はとりたてて話すことのほどもないし、ガエル・ガルシア演じたこういう男にはあまり近づきたくない。でもちょっとひさしぶりにネガティヴではないくすくす笑いが頻発した、楽しく愛すべき映画。
ミウ=ミウが出演していたことにびっくりし、シャルロットがお母さんそっくりになっていたことにもびっくりした映画でもありました。
オフィシャルが映画そのまま、手作り感たっぷりでとても好感持てます。Flashばりばりでさすがにちょっと重いですけど。→公式ホームページ

3.バベル
ブラピの演技の確かさ、ギジェルモ・アリアガの気を衒わない脚本。
エントリ→http://kiku.typepad.jp/blog/2007/06/post_2bd1.html

2.インランド・エンパイア
D.リンチにしては意外な大団円。リンチ、ニーナ・シモンなんて聴くんですね。その曲、"Sinnerman"はこちら。映像はないですけど、ぐいぐい聴かせる曲です。→YouTube
エントリ→http://kiku.typepad.jp/blog/2007/08/post_a335.html

1.ゾディアック
時代の雰囲気を掬う、Donovanの "Hurdy Gurdy man"の使い方があまりにシンボリック。フィンチャーの映画職人としての度外れした力量を改めて思い知らされた感じ。
エントリ→http://kiku.typepad.jp/blog/2007/07/zodiac_819b.html

January 6, 2008 in films | | Comments (0) | TrackBack (0)