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12/28/2008

ブロークン・イングリッシュ

ソフィア・コッポラの「ロスト・イン・トランスレーション」、あるいはリチャード・リンクレイターの「恋人までの距離」の系列に並ぶ作品、なのでしょうか。
ゾエ・カサヴェテス自身相当悩んだらしい脚本はそれなりには熟れていると思うし、手持ちカメラの微妙な揺れは主人公ノラ(パーカー・ポージー)の心象をうまくとらえていたと思う。
だけどいかんせん、ネタがありきたりでそれを何とか他作品と差別化しようともがいている焦りが見えてきている、というか。等身大の女性を描いたB級恋愛映画の王道をいく展開だったけど、その程度で良かったのかゾエ?とう印象。結末は前半から見えてしまったし。

Brokenenglish02 ただ、演出は確かだったと思います。
ノラのアパートで、ジュリアン(メルヴィル・プボー)が二つのコップに水を、無駄にこぼさないように汲むシーンはジュリアンの性格を的確にとらえていたし、親友オードリー(ドレア・ド・マッテオ)が、パリで浮気に走った後(ひどい結果に終わったらしいけどこの浮気の詳細は語られない)、ホテルに戻ってパウダールームで悲嘆に暮れそうになるのを必死で抑えつつ指輪を嵌め直すシーンには痛みを感じられたし、部分部分でその演出力にはっとさせられました。

ジーナ・ローランズはこれはもう怪演でした。息子ニックが演出した「君に読む物語」よりはずっといい。ゾエの映画監督としての出発に対してごく自然な愛情が感じられて、観ているこっちは自然頬が緩む。
主人公を演じたパーカー・ポージーについては今まで出演作を何本か観てきているはずなんだけど全然記憶になくて、これでやっと覚えられたか(笑) バーバラ・ハーシーあるいはジュリエット・ルイスを彷彿させる容貌で、好きな人はめっちゃ好きな女優なんだろうな。

カサヴェテス父の「フェイセズ」をまた観たくてたまらなくなりました。

 

December 28, 2008 in films | | Comments (0) | TrackBack (0)

12/14/2008

クレモナのヴァイオリン。

西宮でヴァイオリン職人をしている S君の工房にお邪魔。
ヴァイオリンの写真を撮りたくて行ったのだけど、準備不足でした。夕方の赤っぽい外光で、と思っていたのですが、思い切り東向きの部屋だったことをど忘れ(笑)
室内光で撮るにしてもヴァイオリンをどう置くか考えていなかったし、ほとんど置いてあるまま掛けてあるままを撮るばかりで、背景のことさえ何にも考えていなかったていたらく。せめて三脚持って行くべきだったなあ。
たまに読んでいるブログ「菊田ヴァイオリン工房」の写真の静かな佇まい、といったら...!

下の写真はクレモナの Gio Batta Morassi 氏製作のもの。生存している製作者のなかでは最も評価の高いヴァイオリンを作る人だそうです。
光の当て方、失敗してますよね(笑) どう当てれば良かったのでしょうか。
Gio_batta_morassi

ぽつぽつ何点か Flickr にもあげますので、よろしかったら。

 

December 14, 2008 in photo | | Comments (0) | TrackBack (0)