YBO2の音。
YoutubeでBOREDAMS(ボアダムス)を楽しんでいて、あー、そうだ、YBO2(イボイボ)のライブ映像あるかなと思って探したのだけど、全滅。ググってみたらどれもこれも "no longer avaiable" となっている。トランスレーベルが削除を申し入れたのか、北村の遺族か。どっちにしても、寂しい。
YBO2のフロントマン(B、Vo、G)、元フールズメイト誌初代編集長だった北村昌士が亡くなってこの17日で1年になる。2000年にYBO2を再開して間もなく情報が途絶え、オフィシャルの更新もなくなっていたから、あれからまだ1年にしかならないのか、という感慨だ。
YBO2の音楽と略歴についてはこちらのブログあたりが短いけどまとまっていると思います。→ o m n i v e r s e
ちなみにYAHOO Music のアーティスト情報では、
キング・クリムゾンとジス・ヒートの間隙を埋めるようなノイジーかつプログレッシヴな音楽性を繰り広げていた。入り組んだ変拍子リフが連続的に展開する複雑な曲構成と、オブセッションに満ちたヒステリックなヴォーカルなどで、ある種の危機感や崩壊感を表出するサウンド(後略)
そう、そういう音楽。メロウなアインシュテルツェンデ・ノイバウテン、の感もあった。
80年代半ば〜後半の日本の音楽シーンにおいて気を惹かれるものといったらボアダムスやZOA、アサイラムなどのトランスレーベル勢か、ナゴムの一部、ミーハーなところでサディ・サッズや G-シュミットといったところだったのだけど、YBO2のカリスマ性は群を抜いていた。というか、そこにいながらにして既に向こう側、の存在感だった。「好きなバンド」というのもためらわれる。
東京の、木場のライブハウスだったか、満員というほどでもなかった観客の大半が、その存在感に対抗するように腕を組んでステージを睨み付けている情景が印象的だった記憶がある。いわゆるトランスギャルはまだ見かけなかった頃。
北村は日々の食事がキヨーレオピンだけじゃないかと思える真っ白な痩躯を折り曲げるようにしてベースを弾いていた。無論その表情はずっと長髪に隠れたままで、窺えることはなかった。残念といえば残念。写真の通り、「早すぎた岡田准一」だったのだから。
レコードは一枚、『太陽の皇子』('86)というのを持っていたはずだけど、無くしてしまったようで、全て廃盤になっている現在、彼等の曲を聴きたいと思えばヤフオクか中古のみ。
と思っていたら、何かのはずみでウチの相方が傑作『ALIENATION』のカセットテープをもっていることが発覚。
おまえなんでこんなん持ってんねん! と聞くも、ぶつぶつとよくわからない反応。わかっていることだけど彼女の音楽経歴はいつも不可解だ。
冒頭の "AMERIKA" のうねりがすさまじい。あー、これだよ、YBO2の音だよ...としばし浸るも、このアルバムではドラムの吉田達也が不発。というか、このころまだ吉田はイッちゃってなかったのですね...
逆に吉田のドラムがあってこその北村のイキっぷりだったわけで、その意味ではちょっと肩すかし。
編集盤でもいいから、再発してくれないかな。
June 12, 2007 in music | Permalink
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