神尾真由子の音。
録画しておいた『強く、強く~バイオリニスト・神尾真由子 21歳~』を観る。この夏、チャイコフスキー国際音楽コンクールで、日本人としては17年ぶりにヴァイオリン部門で優勝した神尾の凱旋公演を追ったドキュメンタリー。ちなみに17年前に優勝したのは諏訪内晶子。
べたべたの大阪人(豊中)のはずだけど、そんな印象はあまり感じさせなかった。ストラディヴァリウスの音も結局は「自分の音でしかない」とさらっと言うあたり、物怖じしない、言いたいこと、感じていることをズケズケ言える、ああ、関西人やなあ、と思えるが、それは自信の裏付けだろう。でもまあ、度胸に関してはイマドキの21歳だ。イマドキなんだけど、音楽の才能は置いといて、他の同世代との決定的な違いは、根性の質、か。
ソリストとしてのデビューが10歳の時なんだけど、だいたい、N響で、シャルル・デュトワなんである。10歳でデュトワに指揮ってもらうなんて、おらが町のサッカークラブのコーチにクライフが就任するようなものだ。
いや、違うのか。
とにかく音が太い。指揮者の大友直人が言っていたけど、自然で、おおらかな音。演奏中はこの表情だ、ヘヴィメタのギタリストの甘さは皆無。音が表情に直結している。
弦楽器演奏者は演奏中一様に苦悶の表情を伴うけど、曲への追求と理解の姿勢は次元が違う。
現代音楽が好きそうだけど、10年後には、バッハの無伴奏を聴いてみたい、と思った。
October 13, 2007 in music | Permalink
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