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08/03/2007

読書録、2、3。

『国家と神とマルクス』 佐藤優
Wiki によれば「護憲派にして、「国体」を重視し皇統の維持を強く訴える尊皇家であり、かつ、キリスト教徒でもある」佐藤優の今年春の著作。鈴木宗男のもとでいわゆる国策捜査により逮捕された経緯とそれに対するオトシマエの付け方は、前作『ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき 』に詳しいのだろう(未読)。
『国家と〜』はエッセイ集と対談の寄せ集めという体裁なので、読みごたえはないかもしれない。堀江貴文の事件にたいする心象はおもしろかった。

↑Amezyのアフィリエイト支援ツール使っているのだけど、書籍に影がつけられないのが痛い。

 

創価学会の実力 』 島田裕巳
この春に出た氏の『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』の取材力と徹底した調査っぷりにはちょっと感銘を受けてしまった。挑戦的なタイトルもいい。
ウチの近所に創価学会の講堂があって、週末には相当数の10代20代の若いコらが説法を聴きにくるか何かしている。恋愛のこととかフツーもっと他にやりたいことある年代だろうに、と思うのだけど、和気あいあいとした感じでつるんでやってくる。みんな親の影響なんだろうね。それにしてもこれほどの若いコらが宗教に、という場面には暗胆たる気分にさせられるのだけど。
氏の新書『創価学会』がむしろ学会員に読まれている事実は、学会の形骸化をあらわしている。池田大作というイコン(カリスマ)は名ばかりとなり、あまりに巨大化し過ぎて情報が得られず、実際のところ自分の信仰している宗教の教義、学会の内部の真実を知りたくて読むのだとか。これほど巨大化すれば功徳の実感も相当薄いものになってしまうのだろうか。
で、『創価学会の実力』では公明党との対立についての解説が興味深かった。今回の参院選、公明党は敗退といっていい内容だったけど、学会員の後ろ楯なんてあまり考えなくてもいいものかもしれない。立候補社当人も案外、利用できるものはとことん利用してしまおうというスタンス?

フューチャリスト宣言 』 梅田 望夫、茂木 健一郎
前作『ウェブ人間論』でも感じたけど、説得力に欠けて、弱い。というか、僕が分かっていないのかもしれない。論法的にはそうなのだけど、で、それだけ? という感じで。言外にある部分を汲み取れていないのだろうか、とも感じる。機会があればまた読んでみたい。
対談本としてはめっぽう面白い。面白いんだけど、梅田氏は『ウェブ進化論』ほどのものが書ける人なんだから、単独著のほうに力を注いでほしいな、と思う。

 

August 3, 2007 in books |

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» フューチャリスト宣言 from 読書感想文
ウェブ進化論の梅田望夫氏と脳科学者の茂木健一郎氏の対談。巻末には中学と大学で講演した授業が収録されている。これは今年一番のお薦め作品。2人の対談を読んでいると限りなく明るい未来が待っているような気がしてわくわくしながらページをめくっていった。やりたい企画に対してネガティブなコメントばかりされつぶされるという組織のしがらみを感じていたのだが、この本でまさに自分が感じていたことを的確に表現してもらって霧が晴れたような気分になった。組織に慣らされてしまえばきっと自分もおいていかれる、自分の感覚が正しいと思... [Read More]

Tracked on 4 Aug 2007 10:49:47

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