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05/07/2008

「ティファニーで朝食を」「花盛りの家」トルーマン・カポーティ / 村上春樹訳

ブレイク・エドワース監督の「ティファニーで朝食を」は観ているけどカポーティの原作は読んでなかったので、村上訳が出たのを機に。
僕は映画の方は全然楽しめなかったのでカポーティの原作はちょっと期待していたのだけど、映画とは全然違った趣で、びっくりした。50年代ニューヨークの息づかいは小説の方にこそ充満している。

主人公ホリー・ゴライトリーのキャラクター設定も、そう。カポーティの毒は映画ではすっかり消え失せてしまっている。できればカポーティ自身に脚本を書いてもらいたかったところだけど、オードリー・ヘプバーンが主役ということもあり、そうはいかなかったのだろう。
さらに、原作を読んだ人はみんなそう感じるだろうけど、ホリー・ゴライトリーはオードリー・ヘプバーンのキャラクターじゃない。あとがきで村上も書いているが、カポーティの原典に忠実にリメイクしたものを観たい、と思いますよね。
その際、誰がホリーを演じる? キーラ・ナイトレイ? 5年後のダコタ・ファニング? ナタリー・ポートマン?

「ティファニーで朝食を」所収の「花盛りの家」も堪能した。おとぎ話的世界観とめくるめく文体がいわゆる初期〜中期の「夜の樹」「草の竪琴」にも通じるものがあるような気がする(「ティファニー」が書かれたのはこの作品の4年後)。残酷で、エロい。
物語の設定はルイ・マルの「プリティ・ベビー」を想定してもらえばいいか。無垢な少女がある娼家のおかみに拾われて一帯で評判の娼婦になり、ふと出会った少年と恋に落ちて、少年の家で奇術的な毒々しい体験を重ねているうちに....という展開。
もうそれだけでカポーティ。

 

May 7, 2008 in books |

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