とんこつ、砂蒸し温泉、黒糖焼酎。

指宿駅から徒歩で30分余りの、温泉街を抜けたところにある料理旅館「はり新」のとんこつ。骨から身をこそげ取るようにするのだけど、柔らかいから箸のさきからこぼれるよう。味わい的には沖縄の角煮に似ている気もするが、味噌を使っているから甘辛で濃いし、スジが一本いっぽん主張しているような歯ごたえ。ヘヴィでした。

この日は15度を越える陽気で、パーカーだけでも暑いくらい。閑散とした温泉街はすっかり寂れたふうで、それらしい風情もない。やたら大きいホテルが競うように立ち並んでいるけど、すべてきちんと営業しているのかあやしいもの。昭和40年代が最後のピークだったのではないだろうか。代理店をいれないと街の再生は難しそう。
それでも砂蒸し風呂は活況のようで、待たされるほどではなかったけどにぎやかだった。ちょっと厚めの浴衣を着てそのままバイトのおばちゃんたちがスコップでかけてくれる砂に埋もれる。海岸に湧出する温泉を利用しているとのことだけど、感覚的には直に地熱に温められている感じ。体感的には44、5度くらいか。温泉効果は10〜15分で充分。5分も入っていれば、手首足首の血管がどくどく脈打ってくるのがはっきりわかるようになる。すっげー勢いで心臓から血が送り出されて  いる。
やりかたと しては潮風にあたってちょっと冷まし、また入る、と繰り返すのがいいのかもしれない。砂をかける人の負担になるからそういうやり方 はできないのかも知れないけど、またいつか機会があったら狙ってみたい。実際、バックペインにはかなり効果がありそうに感じたものでさ。

時間があれば指宿市内に点在する町営の温泉にも入りたかった。入泉料はだいたい200円、古くてとにかく風情がある。海岸沿いの大きいホテルに泊まるより小さな民宿に泊まって風呂は町営温泉へ、というのが旅慣れた人たちのやり方なのかもしれないですね。

夜は味噌おでんをつつきながら浜千鳥の詩・原酒という奄美の黒糖焼酎を飲む。30度にしてはまろやかでクセが無く、スイスイ飲める。
12時前に就寝。