『愛より強い旅』

シネマスコープサイズの映画を観るのは久しぶりのような気がする。つっか、最後が何だったか覚えていない。もしかしたら『シン・シティ』はシネスコだったかもしれない。と思って調べてみたらビスタでした。
大抵、どの映画のオフィシャルにもそのあたりの情報はまったく出てないようなので不満。データベースサイトで調べるしかない。

トニー・ガトリフ（アルジェリア出身）の父親はフランス人、母親はアンダルシア出身（アルジェリア系）というだけあってラテン系の土着的な匂いがプンプン。アルジェはラテンではないけど、主役の二人もその容貌も荷担していい感じに化学反応を起こしていました。
ガトリフの映画はこれが初めてだったのですけどカメラがいいですね。ほとんどが手持ちで、カット数が少ない。セルビアでのフラメンコのクラブシーンなど、全員の息づかいが伝わってきます。このシーンはラストのトランスシーンに無理なく繋がっていきました。

ラストシーン、あのオレンジには「放浪（＝原題 "EXILS" )」から抜け出した者がそれまでの自分を葬る意味を、ガトリフは込めたのだろうか。

参照：トニー・ガトリフインタビュー