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10/30/2005

『シン・シティ』、ローク、ハウアー。

ちょっといろいろなことを考えてみたいのだけど、コミック原作だしタランティーノがタッチしているし、物語のことは深く追うことでもないのだろう。キャラクター構成とカメラワークとモノクロの濡れた質感を楽しむだけでもあっという間に時間は経ってしまう。
それでも幾つかの時間が交錯しているようで、エピソードの端々で何かが繋がっているはずなのだけど、うまく繋がらない。冒頭のビルの屋上の男は、ラストシーンの、エレベーターの中の医者だよな? どうしてあいつが彼女を知っているのだろう? っつうか、僕はちょっと勘違いをしているのか?

ミッキー・ローク、来るべきところまで来てしまったんだなあと、感慨深いものがある。マイケル・チミノの『天国の門』でのちょっととっぽい微妙な土着感、バリー・レビンソンの『ダイナー』からコッポラの『ランブル・フィッシュ』というどこかソフィスティケイトされた孤高、『悪の華/パッショネイト』での爆発を抑えに抑えたぎりぎりの危うさ(エリック・ロバーツはどうしているのだろう)、そして『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』でのチミノとの再会を楽しみつくした栄華。
以降『エンゼルハート』『バーフライ』等、そこそこにちょっとハズしたハリウッド的なテイストを本人も楽しんでいるふうだったけど、三度チミノと組んだ『逃亡者』の後は体調を崩したのかドラッグをやったのか、ひどい堕ち方でしたね。『欄の女』を観て、呆然として物語を追うことも出来なかったことを思い出します。
その後、コンスタントにB級映画に出演していたようだけど、以降僕が観たのは『バッファロー'66』『プレッジ』のみ。この2本にしたって、どこに出ていたのかさっぱり記憶にない....
そう、まさか「怪優」といわれる方向を進んでいたとはね。『シンシティ』ではいかにもコミック的なメイクを施されていたから素顔は知れなかったけど、すがすがしいほどの覇道ぶり。『ダイナー』のロークはこの映画に確かに繋がっています。

ルトガー・ハウアー。出ていたんだね。絶句した。一瞬にして『ブレード・ランナー』でのロイ・バッティの葛藤に引きずり込まれてしまった。
あの登場のしかたは当然『地獄の黙示録』のある意味パロディだと思うけど、ルトガー・ハウアーは、ふっ、と、時空を超える演技を見せる。狂気にいることに飽いて正気を維持することさえ苛立たしいやるせなさみたいなものが一気に充満する。

ほんの数分の出演だけど、僕にはルトガー・ハウアーを観るだけでも価値のある映画になりました。

October 30, 2005 in films |

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