『夢十夜』の映画化のこと。

『第一夜』の主人公ふたりが小泉今日子と松尾スズキ、監督は実相寺昭雄。このニュースを確認して思ったのは、「違うだろ」の一言に尽きる。松尾は無難に夏目漱石の描く世界に適うかもしれない（柄本明で観たかったな）。でももし漱石が現代に生きていて小泉が死にゆく女を演じるのだと知ったら、意外の感にきっと驚くだろう。小泉は漱石の作品に限らずイメージ的世界を演じることのできる俳優ではないのではないような気がする。

それは例えば小泉が寺山修司の作品を演じられるかどうかというニュアンスの問題だけど、結局は小川真由美や八千草薫、高橋ひとみに役をさらわれてしまうだろう。あるいは鈴木清順の映画でもそうかもしれない。

といって他に誰が相応しいかと考えてみると、しっくりくる女優が思い浮かばない。樋口可南子か甲田益也子あたりでどうだろうか。まあ、小泉がどう化けるかちょっと期待してみることにする。

また、『第一夜』を実相寺が監督をするということにも漱石は「いや、そうではないと思うのだが...」とか口を濁したんじゃないかと思う（笑） なんかなあ、実相寺ではクドすぎる。森田芳光で文句ないじゃないか。

個人的には、学生時代にこの『第一夜』を8ミリで撮ったことがあるので、まあいろいろと口を出してみたくもなるのだった（笑） その時使った音楽はコクトー・ツインズの "TREASURE" のなかの1曲。それもそれでクドいよな（笑）