『マグノリア』、優しさ。
群像劇というジャンルは好きで、『クラッシュ』を観たいなと思っているうちにアカデミー賞を獲ってしまったものだから正直なところ機会を逸してしまったと感じている。
休日を思いのままに過ごせなくなってしばらくたつけど、今日くらい昼間から疲れた日曜もなかった。いろんなことが積み重なって、もう、映画館に行こう! と夕方チャリを飛ばして『クラッシュ』の目的の回の1時間前にチケット売り場に行ったら既に満員の表示。だから早く観ておくべきだったのに....とかさ。
仕方がないのでもうひとつ観たかった『アメリカ、家族のいる風景』を観ようとさらにチャリを飛ばしたのだけど、上映はさらに1時間先で、もうぐったりして諦める。
帰宅して、まだ観ていなかったポール・トーマス・アンダーソンのマスター・ピース、『マグノリア』を観る。トム・クルーズが出ているということで食指が動かない映画だったのだけど、相方に勧められて借りてきた。これも群像劇。裏切りと、過去を拒絶する主人公たちと、叶えられない救済についての映画。いくつかの血のつながりのあるいくつものエピソードがどう収束して行くのか、それが気になって仕方ないという感じで観ていた。
始まってから2時間半になろうとする頃、エイミー・マンの歌、 "wise up" が突破口になって、登場人物たちは自分がこうしたい、こうありたいと思うそのままに動き始める。
そして空からは蛙が降り始める。
許しを必要としている者たちにあることを教えるために。
ロバート・アルトマンの映画よりは優しさを感じる。
ホスピスを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンが秀逸。
March 13, 2006 in films | Permalink
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Comments
kikuさんは音楽にお詳しいから、
映画と音楽の関係を明確に語ってくださって
とってもすっきりしますし、勉強になります。
わたしは「いい音楽だなぁ」程度の知識でみていることが多くて。。
わたしも群像劇が好きで、
「マグノリア」も大好きな映画です。
PTA監督の映画のあたたかさ いいですねー。
「クラッシュ」どんな映画か知らなかったのですが群像劇ですか。。
アカデミー賞とっちゃったからみる機会を逸した・・ってうーん
なんだかわかる気がします。。
フィリップ・シーモア・ホフマンのアカデミー賞受賞はうれしかったです。
Posted by: ぽん | 27 Mar 2006 15:54:19