また雨の週末、ヘルシンキ、『カモメ食堂』
ここ3、4年、ハウスミュージックにハマっていたけどこうも忙しい日が続くとなかなか気分がのってこなく、聴く気になれない。その代わりにジャズに回帰しつつあるような今日この頃。今朝は3時過ぎに帰宅して4時半就寝。9時起床、本社で片付ける仕事があったのだけどもうしんどくて明日にすることにして、アート・ペッパーをかけながら相方と今日のスケジュールをたてる。とりあえず彼女が観たいといっていた『カモメ食堂』のチケットを買いに11時頃チャリで劇場まで10分走り、2時過ぎの回を整理券番号22、23番で購入、ドトールでオチャしてからいったん帰宅してブライアン・リンチをかけながら昼ゴハン。
そういえば(ってどういうわけでもないけど)今朝ちらちら観ていたレッドソックスvsマリナーズの試合でのレッドソックスのピッチャーが凄かった。僕は野球にはほんと興味ないのだけどこのゲームでの観客のノリと一体になったようなピッチャーの勢いにはトリハダ立つものがあった。力のある選手なのでしょうか。ほんとうに自分のリズムで、メンタルより先に行こうとする自分のカラダをどうすることもできないといった感じでワクワクさせられた。かなりエンドルフィンが脳内を駆けめぐっていたんだろうね。
で、『かもめ食堂』なんだけど、そんなことより邦画を映画館で観たのっていったい何年ぶりだろう。最後に観たのがいつなのかちょっと思い出せなくて愕然とする。相米慎二の『光る女』あたりからさっぱり、だ。
『やっぱり猫が好き』的なテイストはあまり好きではないのだけどまあ今回はウチの相方に付き合うことにした。とはいっても彼女はもたい等3人のファンというワケではなく群ようこが好きなだけらしい。僕は群なんて一冊も読んだことがない。よってこの映画に関する前情報はゼロ、だった。舞台がヘルシンキだということだけで。
ヘルシンキかよ。
ヘルシンキと言えばカウリスマキしか思い浮かばない。だからカウリスマキ以外の何をこの映画に求めればいいのだろうと思いながら観た。だからそれはカウリスマキ映画の何かを求めた、ってことだけど。
室内で少し逆光気味に人物を映しとるというのは最近の流行なのだろうか、食堂の厨房で小林聡美がドリップコーヒーをいれるカットがとても印象に残った。僕がコーヒー好きだからというワケではなく(小川珈琲の大ファンなんだけどさ)、コーヒーをいれるシーンにはああいう光の取り入れ方が一番相応しいように思った。北欧の午前ならではの、といったような。あるいは午後だったのかもしれない。ようするに北欧ならどっちでもいい(笑)
日本の午後ならもっと光が濁るんじゃないのかな。
もちろんそんなところにカウリスマキテイストなんてあるはずもなく、あるのはしがらみを捨て去った純日本人的な何かだったのだけど、しがらみを捨て去った日本人なんて多分日本人の範疇には入らないだろうし、それを体現出来る女優なんてもたい、小林、片桐の3人くらいしかいないよなと変に納得のできる映画でもあった。
それにしてもなんで陽水なんだよ、ともったいない気がしてそのことを相方に言ったら、多分(監督は)音楽のことを知らないんじゃない? と言っていたけど、こういうグルーブ感のある映画ならBeckあたりが意外とハマるんじゃないかと思ったのだけど、どうだろう?
外は凍てつくような雨。
明日はちょっと穏やかそうなので、もっとのんびりしよう。もう少し、寝ていよう。
April 16, 2006 in life | Permalink
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