アーノンクールのモーツァルト。
先日テレビでやっていたアーノンクールとウィーンフィルのモーツァルトをDVDに焼いて聴いた。交響曲第39、40、41番というポピュラーなプログラム。
焼いたのはいいんだけど、ちょっとした大失敗をしてしまって、曲の頭を出すのに相当手間のかかることになってしまった。うーん、再放送やってくんないかな。
僕はクラオタではない。普段クラシックを聴かない人よりは聴いているという程度なのでモーツァルトを語ることなどできないけど、図らずもこの40番にはいたく感銘してしまった。図らずも、というのはアーノンクールを好きではないということからくるのだけど。
第1楽章第1主題、いきなりのヴィオラの溜め息が美しい。溜め息なんだけど、早いッ! 40番って、こんなに早かったかよッ! というような。
でも、早いんだけど、やはり優雅で、デモーニッシュ....怖いくらい。アーノンクール、何を究めてきたのか? と身体が震えてくる。いや、マジでさ。僕はワルター指揮のコロンビア交響楽団演奏、あるいはバーンスタイン指揮ウィーンフィル演奏の第1楽章で踊っていることが多い(文字通り踊るのだ(笑))のだけど、これはちょっと踊れない。ワルターほどには悲しみが際立っていることもなく、逆にそれだけ洗練されているともいえるのかな。とにかく素晴らしい。
管楽器がメインの第3楽章も滅法に早い。メヌエットなんだけど、ダイナミックでさえある。逆に間に挟まれるト長調トリオはそんなんアリかよ? というほど緩やか。その緩急がツボにハマって面白い。この楽章に入る時、アーノンクールはホルンのあたりをあの目でギロッと睨みつけていたから、そうとうホルンの若いもん、緊張しただろうな。リハーサルで相当シメられていたのかもしれないな(笑)
第4楽章はこの曲のフィナーレとしては十分に存在感アリ、だったけど、堅実に過ぎるきらいもあった。この終わり方以外にないのだろうか。ちょっともったいない気もした。
第41番は流麗でダイナミズムにあふれていました。切なさをにじませた情念のこのほとばしりはどうだッ! とたたみかけてくる第1楽章のフィナーレは鳥肌もの。解体して捏ねにこねては再構築を繰り返し、の結果か。とにかく凄かったです。
November 28, 2006 in music | Permalink | Comments (0) | TrackBack (1)