発端はもう例によって、としかいえない気分なのだけど、ワシントンDCでの著作権料委員会が下した著作権料率アップ決定(3月2日)により、ラジオ局が悲
鳴をあげ、異議申し立てをしたことに始まる(3月20日の ITmedia News
より)。やっかいなのは単なる著作権料の問題だけではない。
オンライン放送局は、放送チャンネル1つに付き500ドル(375.8ユーロ)という年間料金についても見直しを求めている。オンライン企業のなかに
は何千もの聴取オプションを提供しているところもあるため、そうしたチャンネルを個々にカウントすれば、オンライン放送局にとっては膨大な料金になりかね
ない
という。
Pandora は、利用者各自のチャンネルを持つ。たとえば、ブリトニーが好きだったら "Britney Spears"
というチャンネルを持てるし、マドンナの "Ray of Light" が好きだったら、 "Ray of Light"
というチャンネルを作ることができる。というわけで、僕も今のところ20あまりのチャンネルを作っている。オンライン放送局がリスナー全員の、すべての
チャンネルに500ドルずつの年間料金を課されるのはたまったもんじゃない。ネットラジオという業界の壊滅は間違いない。
そして4月17日、 ITmedia News では「インターネットラジオ局は敗北を喫した」となる。
4月17日の決定で、著作権料委員会はこの再検討の申し立てをすべて却下しただけでなく、5月15日という新著作権料支払いの期限の延長も拒否した。
だが委員会は、1人のオンラインリスナーが1曲聴くごとに著作権料を徴収するという新システムではなく、従来通り平均聴取時間に基づいて料金を計算するこ
とだけは認めた。この免除は昨年と今年の支払い分にのみ有効で、それ以降は曲当たり、リスナー当たりの新しいシステムが施行される。
保守にまみれた業界が新進の展開を潰す際の典型的なパターンか。
そういうわけで、「多数のネットラジオ局がこの問題への関心を喚起し、リスナーに対し米議会議員に手紙を書くよう促すキャンペーンを発表した」。
Pandora からのメールはその一環だろう。
ネットラジオ局の収入はもちろん広告料がほとんどなのだけど、Pandora の代表自身、音楽家。聴きたい時に聴けて、聴きたいジャンル(チャンネル)の音楽を選べるという点でネットラジオは重宝している。存続していってほしいな。
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